森の中の大きな木2~Let's go to the new stage!~ 

とりあえず今、目の前にあることについて語ろう

「はじまり」と「おわり」

この世の全てのことには、必ず「おわり」があります。

「はじまり」があり、そして「おわり」がある…。

「はじまり」と「おわり」の狭間で、人はいろんなことを体験し、さまざまな感情を味わい、気づきや学びを得て、経験を残し、その時、同じ時間・同じ場所を共に過ごした人々と記憶を共有します。

このときのこと(「はじまり」と「おわり」の間から感じたこと)が、魂に刻まれて、今世の記憶となり蓄積されていくのです。

 ◇◇◇ 

「はじまり」と「おわり」があることは、自然のサイクルでたとえることができます。

 木々を思い浮かべてください。

春、木々が芽吹き、初夏に葉が青々と茂り、盛夏には、緑の濃い香りを湧き立たせて命のエネルギーをみなぎらせます。しかし、夏が終わると、木々の様子も穏やかになり、やがて紅葉して、最後は落葉…。少しずつ静かに冬を迎える準備に入っていきます。

木の芽が芽吹く時を「はじまり」とすれば、落葉して冬を迎えるのは「おわり」。

この「はじまり」と「おわり」を1サイクルとして、自然の生き物たちは、毎年毎年ぐるぐると、自分たちの「はじまり」と「おわり」の世界のなかを生きているのです。

◇◇◇ 

私たち人間もそれと同じです。

私たちは、日々の活動のなかで、様々なたくさんの「はじまり」と「おわり」を体験していきながら生きています。

「学校生活のサイクル」

「趣味のサイクル」

「仕事のサイクル」

「友達関係・人間関係のサイクル」

「家族のサイクル」

「地域のサイクル」

「パートナーとのサイクル」

「親子のサイクル」

 そして、もっと大きな視野に立って…

自分自身の「今世の人生のサイクル」

などなど。

いつも、どこかで、新たに何かが「はじまり」、そして時期が来れば「おわり」を迎えます。早く完結するものもあれば、一生かけて体験するサイクルもあります。

でも、どのサイクルも、「はじまり」を迎えた瞬間から、どんどん新しい体験が与えられ、たくさんの出会いを経験します。喜怒哀楽もいっぱい経験します。失敗も成功もあります。人生の経験をたくさん得ていきます。

そして、これらの全てのサイクルには、宇宙から燦々と平等に「愛」が注がれ、愛のなかで私たちは様々な体験し、心を成長させるのです。

◇◇◇

この体験の記憶は、私たちの魂に深く刻まれていきます。

それは甘美で切ない思い出だったり、美しくて素晴らしい体験の記憶だったり…。

悲しくて辛い過去の記憶だったり、苦しくて大変だった頃の思い出だったり…。

いろいろです。

でも、どれも私たちにとって「大切な人生の足跡」です。 「私たちが生きた証」です。

そんな今世の「生きた証」を、数々の記憶ととも、私たちは心に残し、魂に刻み付けているのです。

◇◇◇ 

「 人との出会い」も同じくです。

人との関係においても、私たちは「はじまり」と「おわり」を経験しなくてはいけません。

今、一緒にいる人とも、出会いという「はじまり」があって、そこからこうして一緒に同じ時を過ごして居るのですが、その関係も、いつかは必ず「おわり」が来ます。

どんなに大切な人であっても「おわり」のときは訪れます。それぞれが異なる魂の持ち主である以上、ずっと一緒には居られません。

たまたま偶然、お互いの人生のレールが重なりあい、こうして一緒にいるだけのこと。

いつか時期が来たら、分離して別れて、別々の道を進まなくてはいけないのです。

この別離も、お互いにまだ生きているうちに双方のエネルギーが合わなくなって別れることもあるし、また、双方の役目を無事に「卒業」したから自然の流れで別れる…ということもあります。あと、死をもって別れることもあります。

しかし、「おわり」は、決して悪いことでもダメなことでも罰でもありません。

「はじまり」と「おわり」は、人として生まれたら、誰もが必ず体験しなくてはいけないことです。

だから、悲しまないでください。

特別なことではなく、皆が平等に体験することなのです。

別れて別々の道を進むことになっても、苦しまないで、あの輝かしかった日々のこと、楽しかったあの日々のことを思い出してください。

その記憶は、あなたの宝物です。

今世の人生で得た素晴らしい光の宝物です。

◇◇◇

あの時、私たちはキラキラと輝いていて、希望に満ち溢れていて、将来の夢を語りあい、生き生きと「今この瞬間」を生きていました。

あの時、あの人・あの仲間たちと、共に同じ時間を生き、同じ場所にいて、楽しい時間を共有したのです。

これは「奇跡」であり、「素晴らしい人生を生きた証」であり「幸福の証」です。

そんな素晴らしい時間を、あの人と共に過ごすことができたこと、あの人に出会えたこと、輝かしい時間をあの人と共有できたこと、思い出を分かち合えたこと…。

この人生で喜びや楽しみを味わえたこと、幸せな時間があったこと…等。

それらに心から感謝して、あの時のキラキラときらめいた記憶を、自分の魂に「喜び」として刻み込みましょう。

それを体験できたことは、とても尊く崇高なことなのです。

「おわり」の悲しみに打ちひしがれないで、「はじまり」の日から今日までに得た「喜び」の数を数えて、自分を抱きしめてあげてください。

あなたは愛されていたのです。「愛」を学ぶために、あのとき、あなたは「はじまり」のサイクルに入ったのです。

 そして、一つ「学び」を得て、成長したから、そのサイクルは「おわり」になったのです。

だから、感謝してください。『人生のギフト』を無事に受け取り、体験できたことに感謝してください。

 ◇◇◇

 「おわり」を迎えたら、また新しいサイクルが「はじまり」ます。

 「おわり」を迎えたら、今まで自分が居たサイクルの世界に感謝して、心の中でしっかり完結させてください。

 しっかり「おわり」を迎えて、心の中で区切りをつけてから、次の新しい世界の扉を開けて、新たな「はじまり」を体験していきましょう。

◇◇◇ 

自然は、済んでしまったことに未練を残しません。

常に、「はじまり」の先へ意識を向けて、生き続けています。

だから、私たち人間も、「はじまり」と「おわり」を喜びの中で体験していきましょう。

「おわり」は決して悲しいことでもダメなことでもありません。

 今まで続いたもの(こと)に区切りをつけて、手放し、そこから前進するためのゲートです。成長の節目です。

 だから、「おわり」を感じたら、怖がらず、罪悪感を持たず、自分を責めないで、感謝して、愛を持って、潔く手放してください。

今まで受け取った「愛」を「自信」に替えて、勇気を出して潔く手放し、心に区切りをつけてください。

あなたの人生はまだまだ続くのです。

次の「はじまり」のために、いつまでも過去のサイクルに執着し「おわり」を拒否して抵抗するのは止めるときです。

勇気を出して「おわり」を受け止め、次の新しい世界の扉を開けてくださいね。