自分が成長したかどうかを見るとき、多くの人が「変化したこと」を目安にして、自分の成長度をはかると思います。
具体的には「前と比べて明らかに良くなった点」を挙げると思います。
その時、面白いことに、
「自分がどう変容したのか?」
「自分の何が良くなったのか」
ではなく、
「(自分以外の)他人がどう変化したのか」「他人がどう良くなったのか」
を一生懸命に挙げる人がいるのですよ。
つまり、その人が良くなったと嬉々として語るのは、自分のことじゃなくて、『他人のこと』なんです。
自分のことは一切喋らず、ずっーと他人のことばかり…なんですよね(汗)。
この傾向が強いのは、親子間に確執がある人、親との関係が上手くいっていない人です。
こういうタイプの人たちは、親のせいで自分らしく生きられないという悩み事を抱えています。
そして、こういう人たちが「状況が良くなりました!」と喜んで語るとき、最初に話すのが、全部「親の変化」です。
「親が私に怒らなくなりました。」
「親が反省してくれて優しい言葉を掛けてくれるようになりました。」
「親の表情が前と違って明るくなりました。」
・・・云々と、「親」を主語にして「親の変化」ばかり語るんですよね(汗)。
その他、パートナーとの間に問題を抱えている人も然りで、今度はパートナーの変化ばかりを語るのです。
「パートナーが私に対して優しくしてくれるようにかりました!」
「パートナーが家庭を大事にするようになりました!」
「パートナーが仕事を真面目にするようになりました!」
「パートナーがしっかりしてくれるようになりました!」
…等々。
こちらも、主語は全部「パートナー」なんですよね(汗)。
「自分はどうなの?」と尋ねても、自分よりも他人のことしか語れない…。そんな状況です。そういう人が、じつは意外と多いんですよ。
本当はね、「私はこう変わりました」という風に「私」を主語にして「自分の変化」を見つけて語らなくてはいけないのですよ~。
他人じゃなくて、まずは自分!
私はどう変わったのか?をちゃんと自覚しなくてはいけません。
ところが、多くの人は「自分の変化」は無視して、気になる他人の変化ばかりを追い求めるのです。
他人の様子をじっと観察し、昨日と今日の様子を比較してちょっとした変化も見逃さず、他人の変化をまるで自分の変化のように受け止めて、自分のことのように嬉しそうに語るのです。
いやいや、ちょっと待ってね!
それは違いますよね…(汗)。
あなたが語っているのは、他人のこと。
あなたのことではないのです。
あなたはどう変化しましたか?
「あなた自身の変化や成長を見つけて下さい。」
・・・と言うと、「あれ?」と驚き、何も言えない人もいます。なかには、自分のことなのに全く自分がわかっていなくて、自分に意識を向けることすら出来ない人もいます。
自分を見失ったまま、今まで生きてきたのでしょうね。
こういう人は、目の前にいる他人(気にして観察している他人)がより良く変化してくれれば、それで満足なのですよ。他人がより良く変わってくれれば、自分は安心して居心地良く居られます。
自分が嫌な思いをせずに過ごせたら、それをもって「自分は変化した」と思い込んでいるのです。つまり勘違いしているのです。
案外、そういう人が世間には多いです。
◇◇◇
その他、子供がいる人だと、たまに「親である自分の意識が、自分の子供と同化してしまい、子供と自分の区別が付かなくなっている」ケースもあります。
「子供の体験」は「私の体験」、
「子供の成長」は「私の成長」、
「子供の人生」は「私の人生」
・・・という感じになるのです。
そうなると、子供の痛みを自分の痛みのように感じて苦しくなったり、子供の決断や選択にも口を挟んで干渉したり・・・。
子供と自分の境界線が曖昧になってしまい、子供と自分の見分けが付かなくなるのです。
こうして、子供の人生に食い込むようなことをするので、子供は自分の人生が生きられなくなり、心が病んで辛くなります。
◇◇◇
あまりに他人と自分の区別がつかなくなってしまうと、自分は何もしなくても、他人の様子を見て「自分もやっている」ような気分になるのですよね。
それで満足してしまい、人生の終末にふと振り返ったとき、「私は今まで長く生きてきて、実は何もしてこなかったんだ!」と気がつき愕然とするのです。
こうなったら後悔してもしきれません。
何もしないまま、他人の言動や変化を見て、それで腹を膨らませて満足してきたのですから、今さら何かにチャレンジしようとしても、もう遅い…ということもあるのです。
だから、早くに自分の状態に気がついてくださいね。
万が一、何もしていない人生を過ごしていることに気づき、ショックを受けたのなら、気持ちを切り替え、自分自身に「新しい体験」をどんどん与えていく方へ、くるりと方向転換してください。
早ければ早い方がいいです。
子供が小さいからとか、家庭持ちだからとか、お金がないとか、体の具合か悪いとか、家に年寄りがいるとか、云々。そういう言い訳は今すぐ止めてくださいね。言い訳しても、やらない事実は誤魔化せません。あとで後悔するのは自分なのです。
後悔が嫌なら、思いきって、今やりたいことにすぐにチャレンジしてください。
人生はあっという間に過ぎ去っていきます。
時間はありません。
人のことはどうでもいいから、人のことはその人自身に任せて、とにかく「自分」に集中しましょう。
自分の人生は自分が主役!
自分の人生の主役は自分なんだと自覚してすださいね。
人生に起きること全ての主語を「自分」に戻して、自分の人生を生きていきましょう。
まずは目の前のことから、やれるところから着手して、コツコツ取り組んでいきましょうね。