「自分には絶対に無理。こんなことはできない」と思うことでも、実際にやってみたら、案外楽しくて簡単にできた…なんてことがあります。
だから、自分で「これはダメ」と頭から決めつけない方が良いです。
また、これとは逆に「自分はこれが好きだ」と思い込んでいたけど、実は正直あまり好きではなかった…なんてことも多々あります。
この両者、どちらも、人から「〇〇でなくてはいけない」とか「△△をすべきだ」と言われ続けてきたことを、自分の意識の中に取り込んでしまい、それを「私の気持ち」「私の意見」だと思い込んでいるから…なんですよね。
例えば、子供の頃に、親や先生から「あなたは〇〇が下手だね」とか「あなたにはそれは無理」と言われてしまうと、子供はその言葉を信じて、「自分にはこれはできない」とか「私にはこんなの無理」と思い込んでしまいます。
また、親から「あなたは△△をしなさい」と言われてやるようになり、自分が上手にそれをやると、親や先生が喜んで褒めてくれるから、それで「自分はこれが好きだ」と思い込んでしまうパターンもあると思います。
要は、自分の感覚で「私はこれが苦手」「私はこれが好き」と発見したのではなく、全部、自分以外の他人から「あなたはこうだ」「それはダメだ」と指示されてきたことを、そのまま丸ごと受け入れて鵜呑みにしているだけ…なんですよね。
こうして「人から言われたこと」を素(もと)にして、「私はこういう人間人だ」と頭から決めつけているという訳です。
そして、自分で決めつけて作った枠の中で、「私という人間像」を忠実に再現しながら生きているのです。
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でも、よくよく考えてみたら、例えば子供時代に親や先生から言われたことを、大人になった今も信じ続ける…というのは、「ちょっと歪(いびつ」で偏っているんじゃないかな」と思います。
人間は日々変化する生き物です。
毎日、毎秒、常に変わりつつある存在なんですよね。
もちろん「お気に入りのもの」「苦手なもの」も、人生の長さや経験値によって常に変化し変容し続けているはずなんです。
例えば、昨日「美味しい」と感じた食べ物でも、今日になったら「食べたくない」「美味しくない」と感じるかもしれません。
また、今日は上手くできなくて失敗ばかりしてても、明日になれば体がよく動いて簡単に上手にできるかもしれません。
こんな感じで、全て、その日その時に応じで変化しているはずなので、いつまでも子供時代の自分の感覚ままでいられるなんてことは、本来は絶対に無いはずなんですよ。
ずっと同じなんてことはなくて、一見、全く変わらないように見えても、やはり微妙に少しずついろんな色が加わって、少しずつ変化しているものなのです。
それなのに、そうした自分の細かい変化(成長)に気づかず、あるいは、自分の中で起きている小さな変化を完全に否定するような形で、いつまでも、大昔(子供時代)に自分が人から言われたことを信じ続けて、「私はこれはダメ」「私はこれならできる」と自分の感覚を頭から決めつけて生きていくのは、ちょっと違うんじゃないかな…と思うのです。
自分は何が好きで、何が苦手なのか?
これがさっぱり分からない人は、今からでも遅くありません。
目の前に物事に着手し、一つ一つを丁寧に体験していきながら、自分の力で少しずつ見つけていけば良い…と思います。
何事にも好奇心をもち、気軽にどんどんチャレンジして、自分にいろんな経験を与えてみてください。
それらを一つ一つ楽しんで取り組みながら、自分の反応を通して「自分」を知っていくことです。
人から言われたことは、後から自分の経験をもって「上書き」して、過去の刷り込みは全部消していくつもりで、自分を知ることに取り組んでみてください。
その方が、人から言われた事を鵜呑みにして、そのまま信じて生きていくより、うんと生きている実感に満ち溢れた人生&濃く充実した人生が送れるだろう…と思います。