森の中の大きな木~Let's go to the new stage!~ 

とりあえず今、目の前にあることについて語ろう

どんなに我慢しても幸せはやってこない

 

今や日本は超高齢化社会で、私の周囲にも元気な80~90代がたくさんいますが、彼らを見ていて感じることは、人の性格や資質は、どんなに歳を重ねていても、基本的には若い頃とそれほど変わらないんだろうなぁ…ということです。

 

意地悪な人は、基本的にずっと意地悪なままだし、根が明るい人は、その明るさはずっとキープしています。

 

だけど、世間体を気にして、(本当は根暗なのに)無理して明るく振舞ってきた人とか、(本当はコンプレックスの塊でいじけ癖が強いのに)そういうのを押し隠して「器の大きい立派な人」を演技してきた人は、歳をとると、自分の理性のタガが外れちゃうから、もともとの性格が表に出てしまうんですよ。

 

あと、認知症になって発散する…というパターンもあります。

良妻賢母だった老妻が、認知症になったことで、生まれて初めて家の中で大暴れして、モラハラ&パワハラ老夫にキー!とブチ切れて罵倒した…という話を耳にします。

 

その他、若い頃から何十年も舅姑の下で苦労してきた老妻が、認知症になって「ここは私の家ではない」と言い、自宅を飛び出して徘徊するとか…。

 

そんな様々な老いの姿を、私はたまたま少子高齢化が進んでいる地域に住んでいることから、身近でいろいろ耳にしたり、目にしたりするんですよね。

 

こうした話に触れるたびに、私は

自分はどういう人生を生きたいのか?

…を、いつも突きつけられているような気持ちになるのです。

 

今の高齢世代は、誰かに依存していくことで生きていく…という価値観で生きてきたと思うのです。

 

男性の場合は、経済的には自立できていたかもしれないけど、身辺自立や社会自立ができていない場合が多々あり、生活に関することは全て、母親や妻や娘など身内の女性に依存してきたし、女性の場合は、職業を持つことを禁じられていたところがあり、経済的な自立はできなかったけど、その代わりに、結婚して家庭を持つことで衣食住の世話を担う代わりに、金銭面で男性に依存するしかなかったんですよね。

 

社会がこういう仕組みになっていたから、生きていくためには、嫌でもそうするしかなかったのですが、結果的には、自分の能力を生かしきれずに、社会的に押し付けられた役割を全うすることで、自分の人生を消耗してしまう人が多かったように思うのです。

 

自分の思いを飲み込んで、周囲に合わせて我慢してきた人や、「自分の人生はこれでいいんだ」と自分を騙しながら生きてきた人は、年老いて脳が老化して、自分の欲求を抑え込んできた理性のタガが外れた時、今まで溜め込んできた不満や怒りが溢れ出て、何かをきっかけに爆発して出てしまうのでしょうね。

 

そのしわ寄せが、今の自分や家族に全部跳ね返ってくるのですが、だけどもし、まだ若くて元気な頃に、沸々と腹に溜まった本音を爆発させていれば、それがきっかけで自分の人生をやり直すことも可能だったと思うのですよ。

 

しかし、80代90代になっては、自力で現状を変えていくことはもう困難だし、無理ですよ。そこからモラハラ老夫と大喧嘩をしたとしても、自分も相手ももう歳をとりすぎているし、修復するにも変えるにも、時間が足りなさすぎます。

 

自分の環境を変えるには、あまりに遅すぎなんですよね…。

 

我慢の先には、きっと幸せが待っている…という昭和の幻想は「嘘」としか言いようがなく、我慢の先にあるのは、自己の崩壊と修羅場です。

 

今どきの老夫婦は、世間体を気にしている人が多いから、どちらかの我慢の上で成り立つ夫婦関係に胡坐をかいで、結局、最後まで相手の心に寄り添えないまま、形だけの夫婦で終えていく感じなんですよね。

 

二人が本当に心から信頼し合える関係でもないのに、ずっと一緒に暮らし続けていくのは、ある意味、修羅場ですよ。

 

 

世間体がよくなくても、人からなんと言われようと、自分たちが幸せで安心できて満足できる関係であること…これが大切です。

 

結局のところ、頑固な人は、どんなにこちらが誠心誠意尽くして愛情を注いでも、1ミリも変わらず頑固なままだし、また、パワハラ&モラハラで酷いことをガーガー言ってくる人も、こちらがどんなに笑顔で温かく受け答えて頑張ったところで、いつか優しい良い人に変容する…なんてことは絶対にありません~。

 

じっと我慢して尽くのも人生でしょうが、時には、はっきりと「そういうのは嫌」と正直に伝えることも大事だと思うのです。「怒り」を感じる時は、我慢しないでちゃんと相手に伝えことが必要。

 

「我慢は美徳」と躾けられてきた人たちが、「あれ?こんな我慢して頑張っているのに、どうして報われないんだろう?」と悩んでいたとしても、いやいや報われるどころか、それは単に問題を先送りしているだけなんですよね。

 

我慢しても変わらない。

変わりたければ、我慢をやめる。

 

これが大事だと思います。

 

80年90年と生きてきて、人生の最期に「こんなに努力してきたのに、何も変わらなかった…」と嘆いて人生を終えるのではなくて、自分の気持ちに気づいた時に勇気を出して立ち上がり、自分の中で革命を起こして、正直に自分の本音&本心を表明していく…。

 

こうしたアクションを一人一人が起こしていくときなんでしょうね。

 

そんなことを、日々感じる今日この頃です。