森の中の大きな木~Let's go to the new stage!~ 

とりあえず今、目の前にあることについて語ろう

無理して頑張ることを「美徳」にしてはいけない

2月に入って暖かい日が続いたため、もう早速、スギ花粉が飛び始めたようです。

花粉症の私には辛い季節の到来ですが、今年はマスクが手に入りにくい状況なので、今うちにあるマスクを無駄使いしないよう気をつけながら使用しています。

マスク・パニックが沈静化して着いたら、ドラッグストアの店頭からマスクが消えてしまいました(汗)。花粉症の皆さんには、今年の春はなかなか厳しいシーズンになりそうです。

 

◇◇◇

 

新型コロナウイルスが、日本国内でもジワジワと広がってましたね。

今までは、渡航者が持ち込んだと思われる感染が主でしたが、ここ最近は、渡航経験のない人が、日本国内で知らないうちに感染しているケースが出てきました。

そうなると、今までのように「マスクしなくちゃ!」とか「手洗いしなくちゃ!」とか「家に引きこもっていよう!」と・・・単に感染予防に努めるだけで済んできたことが、これからは、もう一歩踏み込んで、「もしかしたら自分も感染するかもしれない」という意識でいることが必要じゃないか・・・と感じるようになりました。

 

つまり、巷で毎年流行っているインフルエンザと同じ感覚で、いつか自分も罹る可能性がある・・・と自覚しておくことが必要だと思うのです。

「罹ったら怖い」という意識から、今度は「罹る可能性がある」と腹をくくって覚悟する方向へ自分の意識を持っていく・・・。罹った後のことまで想定して、日頃から自分の健康管理に努めていく・・・。そういう段階に来たのかな・・・と思います。

 

要は、防災対策と同じです。「私は災害に遭わない」と他人事のように受け止めて防災に対して何も準備も対策もしていない・・・で済ませるのではなく、「いつか来るかもしれない」という意識で、防災に関する情報や知識を集めて、今のうちから心づもりと準備をしておく・・・。それ同じ感覚でいることです。

 

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予防だけ取り組んで行けば良かった時期とは違い、今度は積極的に、自分の体調と向き合っておかなくてはいけません。常に「今の自分の身体の状態」をチェックして、具合が悪いところが無いか確認しておくことが必要だと思うのです。

 

例えば、毎日ふとした折に、自分の意識を「自分の身体」に向けて、今の自分の体調を感じ取ってみるのです。そして、自分の身体の具合を把握しておくのです。

  • 身体の調子はどうだろうか?
  • 熱は出ていないだろうか?
  • 身体のどこかに不快感や違和感はないだろうか?
  • 風邪を引いていないだろうか?

・・・等々。

もし、そこで「食欲がない」とか「身体がだるい」とか「眠い」とか・・・何か不調を感じたならば、食事を軽めにしておくとか、無理しないで休みを取るとか、早めに寝て睡眠を充分に取るとかして、ちゃんと手当てしておく・養生する。←これ、すごく大切ですよ。

必要に応じて、時には仕事を休んで病院に行き、ちゃんと診てもらい、適切に処置してもらいましょう。これも養生です。

 

また、病気になる前の、中医学で言うところの「未病」の段階で、食事や生活習慣に気をつけながら健康維持に努めることも大事だと思います。

 

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しかし、昔ながらの価値観で、自分の身体を酷使することが「美徳」だと信じている人たちも、世の中にはたくさん居ます。

そういう人たちは、無理をして頑張ってきたことが自分の人生の勲章になっています。酷使することが癖になっているから、自分の身体に無理を強いて自分を粗末に扱うことはへっちゃらだし、また、周囲の人にも自分と同じように「身体を酷使して粗末に扱う」ことを、無意識に押しつけたりします。

 

自分の身体を粗末に扱うことに慣れてしまった人は、子供の頃からそうしているため、身体の感覚が麻痺してしまい、具合が悪くても気づかなかったり、市販薬やお酒などで誤魔化すことが癖になっていたりします。

 

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日本人は、昔から「ちょっとくらい具合が悪くても絶対に休まず、しっかり仕事を頑張ること」が美徳になっていました。そして、自分の体調より仕事を優先させる人を、「責任感がある」とか「仕事ができる」とか「立派な人だ」とか言って高評価するところがありました。

 

この価値観が、ずっと長い間、先祖代々脈々と受け継がれてきたと思うのですよ。

親も先生も周囲の大人達も、そういう価値観の人が多かったので、無理をするのが当たり前になっていました。

 

だから、「学校を休むな!」「部活を休むな!」「仕事を休むな!」とずっと尻を叩き叩かれてきた訳で(汗)、それでも休んだりすると、「怠けている!」とか「健康管理が出来ていない!」とか「ワガママだ!」と悪く言われて、ダメ人間のレッテルを貼られます。

一度「ダメ人間」とレッテルを貼られると、自己否定されるのと同じくらいの恐怖を感じます。だから皆、歯を食いしばって無理して頑張り続けてきた訳です。

ですので、世間の人々から「良い人」「できる人」と認められるには、まずは「休まない」ことがノルマの一つ。それで無理がたたって心や身体が病んじゃっても、「甘えている」で一蹴して終わり。

ですので、身体が弱かったり、人と同じ事ができない人たち(障害や病気を持っている人)には、とても厳しい社会だったのですよ。

 

こうした価値観が更に高じると、「(飲み会などの)付き合いを断ってはいけない」「(ママ友などの)グループから抜けてはいけない」「(自分と合わない相手でも)仲良くしなくてはいけない」・・・という変な掟まで押しつけられて、プライベートでも皆勤賞を求められるのです。

こんな感じで、「休んではいけない」という価値観のために、皆が窮屈で自由がない世界を生きなくてはいけませんでした。

 

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私が生まれ育った昭和の時代は、まさにそういう価値観がまかり通った世界でした。平成に入ってからは少しずつ変化してきたものの、相変わらず、昔の価値観を引きずっているところ(ブラック)は、今も至る所にたくさんあります。

 

変わらなくてはいけないのに、なかなか変わらない社会。そんななかで生きていくために、今も多くの人が自分に無理を強いて頑張り続けています。

 

そんななか、新型コロナウイルスが出てきて、日本でも流行りだしてきたわけですが、もしかしたら、これって、自分の身体を大事にすることを優先してもいい社会を新たに作るきっかけになるのではないか・・・と、そんなことをふと感じました。

 

微熱があったのにいつも通りのお仕事をこなしていたり、体調が悪いのに遠くへ出張していて、その後、感染が分かった方も何人かいたようです。

おそらく今までなら、ちょっとくらいの具合の悪さならば、手持ちの風邪薬を飲んでやり過ごせば、それで何とか治っていたのでしょうし、職場の人たちも「それが当たり前」だと普通に強いてきたと思います。

 

でも、今回はその方法は全く通用しないし、むしろ無理して頑張られると、かえって社会に迷惑を掛ける状況になります。仕事を優先するより、早く休む・休養する・自宅で過ごす・病院にかかる・・・という対処法をしないと大変な事になります。

 

これは、今の社会の「休むな」信仰に逆行する流れです。

 

また、感染症対策には「免疫力」が大事だそうで、まずは休養・睡眠、栄養バランスのとれた食事。これが一番大切。でも、仕事の忙しさのせいで、睡眠も休養もとれず、食事も適当に済ませて、ずっと働きづめ・・・。これでは、普通の風邪でもこじらせて悪化するだけです。ですので、そういう基本的な部分から、まずは根本的に変えなくてはいけない・・・と切に思います。

 

今必要なのは、昔ながらの健康管理。

薬に頼る前に、自律神経を整えて、免疫力を高めるための、日々の養生。

自分の暮らし方や生活習慣を見直して、問題があればそれらを改善していくことが、一番の予防策&対処法じゃないか・・・と思うのです。

 

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具合が悪くなったとき、初期の段階で「早めに休んで養生する」ということ。

しっかり治るまで安心してゆっくり休んで養生できる社会になること。

これが当たり前の世の中になると良いな・・・と思います。

 

「感染しない」に越したことはありませんが、でも、これからは、万が一、少しでも体調の変化を感じたら、これ以上、悪い状態にならないためにも、身体の声に従って休むことです。

自分の身体の感覚を研ぎ澄ませて、不調を感じたら素直にそれを受け止めて、きちんと正攻法で対処していく・・・。これを一人一人が実践していくことが、とても大事になっていくと思います。

 

 ◇◇◇

 

おそらく、今までもずっと、具合が悪くなってもなかなか休めず、また「休みたい」と言い出すことに罪悪感があって、ずっと無理して働いてきた・・・という人がほとんど何じゃないかなと思うのですよ。

私も過去にはそうでしたから(汗)。

多くの人が、子供の頃から「休んじゃいけない」と刷り込まれて、そう親や先生から言われてきたから、余計に頑張るのが癖になっているのです。

 

だけど、これからは集団の掟を守ることより、個々の自分の感覚を大切にしていましょう。

 

 

自分の身体とキチンと向き合い、心地よく暮らすために、日頃の生活から養生を心がけていく・・・。そんな健康的な暮らしができる社会になるよう、目に見えない大きな力を持って、世の中全体が大きく動いている(動かされている)のかもしれません。

 

「働き方改革」という言葉をよく目にしますが、どんなに制度を整えて世の中を変えようとしても、人々の意識が昔のままで、その古い意識にしがみついている人ばかりだと、社会はそのまま・・・変化はしません。

昔の体質や古い価値観がこびりついた状態では、新しい時代にマッチした働き方・暮らし方を実践したくても、横からどんどん邪魔が入って困難になります。

 

でも、今回のこのウイルス感染の脅威によって、もしかしたら、今回の問題改善への取り組みや個々の対処がきっかけになり、社会全体が大きく変わるかもしれません。

体調が悪くなったとき、安心して休んで休息がとれる社会・休養していることで周囲から責めらることが無い社会・誰もが互いのことを尊重してくれる世界・・・。

そういう社会に生まれ変わるチャンスかもしれません。

 

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もう無理して頑張ることを「美徳」にしてはいけません。

無理して頑張り過ぎて、自分の身体を壊し、自分の人生を狂わせてしまった人を、私は何人も見ています。自分の人生に責任が持てるのは、自分自身です。自分以外の人は、たとえ親兄弟であっても、あなたの人生に責任なんて持ってくれません。

ホント、みんないい加減なものですよ(汗)。

 

ならば、自分の身は自分で守る。自分の命の尊厳は、自分しか守れない。

・・・そう自覚して、自分の身体の声にもっと大切に扱い、受け止めて、きちんと向き合い対処していくことが大切だと思います。

 

風邪くらい・・・と思わず、きちんと休んで治してくださいね。

休むことを恐れないで下さい。

休むことが怖くて出来ない人ほど、「自分のために休む」という体験が嫌でも与えられます。

そうやって宇宙はバランスをとろうとするのです。

だから、そういう時は損得感情で決めてしまわないで、素直に流れに乗っかって「自分を大事にする」を実践してください。

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甘い飲み物を飲みました。いつもは無糖派ですが、たまに飲みたくなりますね。