森の中の大きな木2~Let's go to the new stage!~ 

とりあえず今、目の前にあることについて語ろう

自分の「不完全さ」と向き合う~自分の体を受け入れる~

「生きる」ということは、「自分の不完全さと向き合うこと」でもあります。

 人間として生まれてきた以上、どんな人も必ず、何らかの「問題」や「欠陥」を抱えて生きているものです。

それらは、皆、個人レベルの問題であり、個々が「自分のライフワーク」としてコツコツ取り組むべき課題でもあります。

 例えば、身近なことでは、「体質的な問題」「持病・病気」「気質の問題」などなど。

私たちに与えられた肉体(脳も含む)は、もともと完璧なものではありません。

どんなに完璧そうに見えても、肉体には足りない部分や未熟な部分、遺伝的に受け継がれている劣性な部分、それらをどこかに有しています。

あるいは、日頃の生活習慣に何か問題があって、それにより肉体に負担がかかり、後天的に体質が悪くなったり、病気になることも多々あります。

また、体格や体の一部分の形や大きさなど(足の長さとか顏のパーツなど)で、「〇〇だったら良かったのに」と、自分の肉体の形状にコンプレックスを持っている人もいるかもしれません。

さらには、自分の体形は気に入っていて愛着があっても、遺伝的に体質上の問題を抱えていたり、病気や持病を持っていたり、気質的(脳も肉体の一部です)な特徴が強かったり(こだわりの強さ・ネガティブ思考・癇癪持ち・不安になりやすい・落ち着きがない・言葉が下手・忘れっぽい・コミュニケーションが苦手…等)、個々でいろいろあるものです。

しかし、人として生まれた以上、自分に与えられた肉体を途中で変えることはできません。死ぬまでこの体で生きていかなくてはいけないのです。

それならば、無駄な抵抗はやめて、自分を素直に受け入れて受容し、自分の肉体の特徴や癖をすべて正しく理解した上で、この体を上手に動かして使っていきながら、今世を充実して生きていくことが大切です。

「自分の特徴」を拒否しないで、ありのまま受け入れて、自愛やメンテナンスをしながら肉体を大切に使い、たとえ体のことで問題を抱えていても、そうした問題と上手に向き合い仲良く共存して、最後まで明るい気持ちで生きていくための方法を模索していくこと…。これは、私たち一人一人に平等に与えられた「人生の課題」と言えるでしょう。

 

◇◇◇ 

 

ちなみに、肉体の問題や癖は、この世に生きるすべての人に平等に与えられています。突出した身体能力を持っている人でも、後々病気が出てきたり等、他の面で何か課題を抱えていたりします。これは肩書や性別、年齢など関係ありません。

その人の今世の人生で、どうしても経験しなくてはいけないことがあり(魂の学びの為に…)、そのために、その経験に合った「問題」や「課題」を持って生まれています。

病気や体質も然りです。

だから、怖くても逃げないで、腹をくくってちゃんと向き合い、治療や養生をしながら、その課題や問題だからこそ得られた「体験」や「出逢い」から多くを学び、心の器を大きく広げ、自分の魂の成長の糧にしていくことです。

 

◇◇◇ 

 

肉体を持っている以上、人は死ぬまで「自分」と向き合いながら、「不完全な自分」と格闘しながら、生きていかなくてはいけません。

だから、不完全であることは、決して不幸でもなく、悲しいことでもなく、ダメなことでも無いのです。自分を卑下する必要はありません。ただ淡々と現実と向き合い対処する…それだけのことなのです。

世の中の人々の多くは、皆、あえて口に出さないだけで、大小様々な問題を持ちつつ、それらに心が縛られたり支配されたりしないよう、心の自由を保ちながら、腐らず凹まず頑張って生きています。

命に関わる病気や体質をもちながらも真摯に自分の体と向き合いながら生きている人はたくさんいるし、小さな問題であっても日常生活で困っているため細々と対策に取り組んでいる人もいるし、自分の体質や健康面での心配を解消させようと治療に専念している人もいるし、皆さん、それぞれに自分にできることを精一杯やっています。

小さなメンテナンスだと、虫歯の治療、整体・マッサージ、花粉症の薬、休肝日、眼鏡のレンズ交換、食べ物に気を配る、運動、エステやセラピー、睡眠、排せつ、休養…などなど。これらも大切な養生です。

体をもって生きるということは、どの人にとっても大変なことなのです。

そして、自分の人生を充実させるために、多くの人が、自分の肉体の声を聴きながら、自分の体の「不完全な部分」のケアや手当てに取り組み、自分の体と向き合っています。

ですので、健康面で心配や不安を抱えている皆さんは、「自分だけが不幸なんだ」と思わないで、「みんな、あえて口に出して言わないだけで、世の中の人々も、それぞれにいろんな問題を持ちながら、頑張って生きているんだなぁ~」ということに気づいてほしいな…と思います。

そう、一人ではありません。

皆が、それぞれに「不完全な自分」と闘っている…ということです。

そうやって、皆が「自分と格闘して生きている」…ということです。

 

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ちなみに、私たちの肉体は、気圧の変化や少しの重力の関係でも、盆の中の水のように体調がコロコロ変わりやすいです。ちょっとしたことでも変調をきたし、安定感を保つことが難しく、とってもデリケートなものです。

どこまでも落ち着きがなく、不安定で扱いにくいもの…。それが人間の肉体です。

生身のものだから仕方がないのですが(汗)、だからこそ、この不完全で変化・変容が著しい自分の体と、しっかり向き合ってみてください。

自分と向き合うとは、「心」だけでなく「肉体」も含まれます。

自分の肉体と真摯に向き合うだけでも、多くの「学び」と「気づき」が得られます。

(だからトップアスリートには哲学的な人が多いのだと思います。)

 

◇◇◇ 

 

完全で完璧な肉体などこの世にありません。完全なものを求めるのではなく、もともと不完全なものなのだと素直に受け入れて、その「不完全さ」に愛着を持ち、だからこそどう取り組んでいくのか?…を考えていくと良いと思います。

 不完全だからこそ、取り組み次第で、どのようにも変化していくのです。心次第で、見た目の良さだけでなく、スッキリした心地よさを味わうことも可能です。

 不完全さと向き合うことで、誰かに認めてもらわなくても、自分が自分に対して自信を持ち、自分に愛着を感じるようになってほしいな…と思います。